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zoom RSS シエラレオネという国を知っていますか?―映画『ブラッド・ダイヤモンド』を見て

<<   作成日時 : 2011/11/20 15:42   >>

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一昨日、私はどうしても唐揚げが食べたくなって、セブンイレブンに走った。


そしたら、私の大好きな「唐揚げ棒(唐揚げを4つ串に刺したもの)」が消えていた。店員さんによると、理由はタイの洪水だそう。そうか、あれってタイから来てるのか。洪水が起きてこうやって供給に支障をきたさなければ、私は自分が好きなものですら、それがどこから来ているか知ることはなかったと思う。そんなこと普段は話題にされないから、当然と言えば当然なんだけど、消費者として誰がどこで作ったものなのかを考えて買うべきだろうと、その時はなんとなーく感じる程度だった。



その直後にたまたま見た映画が『ブラッド・ダイヤモンド』。この映画で扱うのはダイヤモンドであって唐揚げではないが、同様のことを考えさせられた。偶然って怖い。


この映画は、西アフリカのシエラレオネで1991〜2001年頃まで実際に起きた内戦を描いたもの。2006年製作、主演はレオナルド・ディカプリオだが、日本で話題になった記憶がない。おそらく日本での興行収入はサッパリだったんだろうけど、ディカプリオはこの映画でアカデミー主演男優賞にノミネートされています。

元傭兵でダイヤの密売人・アーチャーを演じるのがディカプリオ。漁師のソロモン役が、ジャイモン・フンスー。そして、ジャーナリストのマディー役はジェニファー・コネリー。この3人を中心に話しが展開。アーチャーは巨大なダイヤを、ソロモンは内戦で離れ離れになってしまった息子を、マディーは密輸の証拠を見つけるため、命がけで戦場を駆ける。

シエラレオネで採れるダイヤ。反政府軍のRUF(革命統一戦線)はダイヤを密売して武器を手に入れており、それが内戦を長引かせている。ダイヤを巡って何十万人もの人が難民となって路頭に迷い、何万人もの人が犠牲となる。紛争が起きている地域でしばしば反政府軍の武器調達の資金源となるダイヤは紛争ダイヤモンド(もしくは血のダイヤモンド)と呼ばれており、それがこの映画のタイトルでもある。紛争ダイヤは戦争長期化の原因になっており、各国が取引しないよう南アフリカのキンバリーで話し合われたのが2000年。それがキンバリー・プロセス(ダイヤを取引する際に、それが紛争に関わっていないと証明すること)となり、加盟国は71ヶ国にのぼる。(日本も加盟済み)



■"The future is in your hands."
これは、1996年からシエラレオネの大統領選挙で政府側が使っていたスローガン。これに対抗し、RUFが「手があるから投票に行くんだ。手を切り落として投票できなくしよう。」と一般市民の手や足を切断するという、おぞましい行為が実際に横行した。映画でも序盤でそのシーンが出てきて、絶句。
手の切断に関しては、もとはベルギーが奴隷貿易の時代、奴隷に対してしていた行為だという告白が映画の中盤に登場する。同じ場所で同じことが繰り返されている。白人から黒人へと行われていたことが、今度は黒人から黒人へ行われている。


■少年兵
映画では最後の字幕でこのように語られる。―「アフリカには20万人の子供兵がいる」
映画の中では、無垢な少年がどのようにして殺人マシーンと化すかが描かれている。ソロモンの息子ディアもRUFに少年兵として拉致され、恐怖と麻薬で洗脳され、平気で村人に発砲できるようになる。最も多くのことを学ぶべき幼少期に人殺しと麻薬しか与えられない子供たちが大人になったら、はたしてどんな国ができあがるのか。
国の将来を左右するのは、そこで育つ子供であり、教育である。子供を戦争に巻き込もうと考えた人間は、その国の未来30年を潰したも同然だ。


■"It is what they do that makes them good or bad." (行動が善悪を決めるんだ。)
映画の中盤、戦争で酷使された子供たちの社会復帰を支援する学校にて、そこの教師がアーチャーに向かって「人はもともと善か悪か」という疑問を投げかける。そのやり取りの中での教師の発言。人は生きていくうちにどう行動するかで善悪が決まる。この言葉に影響されたのか、悪役だったディカプリオは最期に命がけで手に入れたダイヤをソロモン父子に託す。


■強く描かれる女性ジャーナリスト
主人公ら3人がカマジョー(村の自警団)と一触即発の場面で、カメラを取り出し写真を撮ろうと仲裁に入るマディー。ここに監督がどういう意味をこめたかは知らないが、私は『ターミネーター2』でサラ・コナーが「女は子を産むが、男は破壊しか生まない。」と言うシーンを思い出した。別に男性を非難するわけじゃないけど、力では負けてしまう女性が男同士の争いの仲裁に入るシーンには、いろいろと考えさせられるものがある。秩序が崩壊した社会で生きづらいのは男性より力の弱い女性であり、本能的に平和を望む気持ちが強いのかもしれない。


■消費するとはそれを支持するということ
"But illegal diamonds are still finding their way to market. It is up to the consumer to insist that a diamond is conflict-free."(非合法のダイヤはいまだ市場に出回っている。それを食い止めるのは消費者だ。)
映画の最後に字幕で出てくる言葉。ダイヤに限ったことではない。いつも消費しているモノが、どこからどうやって日本にやって来ているか、どれくらいの人が知っているんだろう。もちろん、私もまったく知らない人のひとりであり、仮に知っているからといって消費をやめるわけではないだろう。でも、それを考えるか考えないかの差は大いにあると信じたい。モノを買うとは、その企業やそこで働く人々を支持するということ。




思うことも書きたいこともありすぎるのに、まとめる表現力もなければ知識もないし言葉も知らない。だからネットで検索しまくって、結果、気づかされるのは自分が何も知らないという事実。調べても調べても知らない言葉や事実が出てきて終わりがない。



きっと、人間に欲がある限り、争いは終わらない。世界中が平和になることはない。



地球の裏側で起きている残虐な事件を知らずに死んでいく人生も、それは幸せでいいと思う。これを見たからといって、アフリカについて何かわかるかというとそうではない。むしろ、私にはわからないことだらけで、再度DVDを見直した。この映画の撮影に2年間費やしたエドワード・ズウィック監督も「(アフリカについて)何もわからなかった。」と語っている。この映画は、考えるきっかけであり、始まりでしかない。でも、0が1になることの意味は大きいと思う。



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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
あなたのコメントを見て感心しました。
本当に何も知らないし、知ってもどうしようもない事が多いですね。
むなしい気持ちが強まります。
しかし、自分の中で、「0が1」になったと感じる、という表現は
71歳の老人の心を動かしました。
また、これからも『原発反対・沖縄基地撤去』と自分で叫びます
mkenji2006@yahoo.co....
2013/02/14 16:51

ブログをたまたま拝見いたしました。
シエラレオネの国際協力をテーマにNGOを設立しようと
している大学生です。映画についてのレビューがとても丁寧で
感心しましたし、映画をみたことのない人たちが
心打たれる内容だと強く思いました。
これからもブログみにこさせてください(^−^)
下里夢美
URL
2013/10/13 03:50
>mkenji2006さん
ありがとうございます!

>下里さん
コメントありがとうございました!
お若いのにしっかりしてらっしゃいますね!
シエラレオネ、私も死ぬまでには一度見ておきたい場所です。
女子は特に、お気をつけてくださいね。
えりっく
2013/10/13 21:02

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